最近のトラックバック

2007.08.13

熱田の森にて

昨日8月12日、パンダイルカさんが結婚されました。おめでとうございます。熱田神宮會館での披露宴に出席させていただきました。

200708121043 ここ数日暑い日が続いています。当日もよい天気でした。

植物生態学者の宮脇昭氏が明治神宮の森について熱く語っていたのを思い出し、熱田神宮の森の中をふらふら歩いてみようと思ったけど、その時間もなく敷地内の会場へ。
ところが…

200708121314 披露宴の乾杯の合図とともに、前面天井のカーテンがぱっと開いて、会場全体に森の木漏れ日が射し込みました。私は思わず歓声をあげてしまった。

 

 

200708121357あたたかいメッセージと、余興と呼ぶにはあまりにハイレベルな出し物。すごいわ、この家庭は。 写真は新郎新婦のヴィオラとピアノの演奏。携帯カメラでこんな撮影しかできず申し訳ないです。

 

200708121430 会場に行くときは気がつかなかったけど、帰りの通路から外を見たら「名古屋で一番大きいクスノキ」と標示のあった巨木がありました。これも携帯ではちゃんと撮れないです。

末永くお幸せに。

2007.05.03

浅間、四阿、また見たい

この2日~4日に、家族旅行で長野県上田市真田町から群馬県嬬恋村をぐるっと回ってきました。初めて天然のブナの森をまじまじと見ました。きれいです。標高がちょっと下がると、若葉がつき始めていました。
宮脇昭「苗木三〇〇〇万本いのちの森を生む」内の潜在自然植生図によると、この辺りは「チシマザサ-ブナ群団」とのこと。P1010170

ということは、←これがチシマザサなんでしょうか。
前に東北をぐるっと回った時には、ブナもこの笹も、全く気にとめなかった。

 

 

音関連で面白かった2点。

P1010166
鬼押出し園の寺の鐘はA6thで響く

 

 

 

Pppp 北軽井沢のやたら客の多い宿で夜10時ごろ停電があり、非常灯がついて館内放送が流れた時の「ピンポンパンポン」の音程

2006.12.17

ハンノキクラスはどうしますか

「魂の森を行け」の次に、宮脇昭著「苗木3000万本 いのちの森を生む」を読んだ。「苗木3000万本 いのちの森を生む」で宮脇氏自身の視点から書かれていることが「魂の森を行け」では周囲の視点も交えて描かれる、という比較もできて面白い。「いのちの森を生む」では、成長した製鉄所周辺の森や、使われているポット苗、宮脇氏やチュクセン氏らによる植生調査のようすを収めた写真もあって、より分かりやすくなっている。さらにありがたいことに、この本には「日本の潜在自然植生図」まで掲載。

その「潜在自然植生図」によると、今私が住んでいるあたりは「シラカシ-アカガシ群団」であるという。家から自転車でいけるところに、丘陵地のもともとの植生を生かした「かしの木山自然公園」がある。広場の脇にシラカシの大樹がシンボルのように立つ。シラカシの森・雑木林というエリアもあり、今の季節なら高木の葉が青々と茂っているか落ちているかで明確な違いが見られる。

ちょっと気になったのが、私の故郷・愛知県刈谷市の南部あたりの潜在自然植生が「ハンノキクラス・オノエヤナギクラス」らしいことである。ハンノキはよく湿地に自生するとのことだが、昔の境川が今よりずっと広かったという話を聞いたこともあり、不思議ではない。では現在「治水」という人間活動の影響によって湿地でなくなった状態の土地「本来の森」としては、何を植えれば良いのだろう。本文中でハンノキはすぐ育つが長持ちしないということも言われており、機能面から、やはりタブノキかシラカシを植えればよいのだろうか。
もしかしたら、川沿いの寺社にハンノキの鎮守の森とかがあるのだろうか。機会があったらちょっと見に行ってみよう。

2006.12.08

一志治夫著「魂の森を行け」

各地の「潜在自然植生」に基づく植林活動を精力的に進める植物生態学者、宮脇昭氏の人生。
以下、ほとんど個人的な体験談になります。あしからず。

11月25日に刈谷に帰省したとき、父の運転する自動車に乗って、ちょうどきれいな赤や黄色に色づいた街路樹を見た。不意に父が「ここでは宮脇先生の指導で植林やってるところもある」と言った。「宮脇先生って、……宮脇、昭?」ここ十何年、とうに頭のなかに埋もれていた人の名前が甦った。
私は中学生の時、宮脇昭氏の著書「人類最後の日-自然の復讐」を読んで、大きな衝撃を受けたのである。生態学という言葉も、この本から知った。とにかくすごい勢いの文体が印象的であった。高校で生物部に入って植生調査の真似事をしたのも、大学で農学部林学科に入ったのも、その原点といえば「人類最後の日」だった。
そういえばこの人、今どうしているだろうと検索してみたら、宮脇氏は20年以上経った今も、変わらぬ勢いで突っ走っている。最近はNHK教育「この人この世界」にも出てられたし、毎日新聞のサイトで講演や植林のスケジュールが紹介されているではないか。どうして私はこういう情報を延々と見逃したのか。

中学生の頃から自分の意識もずいぶん変わってしまったけど、この1週間は車窓から木々を見るのが楽しくてしかたがない。今住んでいる辺りの潜在自然植生、つまり人間の活動の影響が全くない状態で現出する森林はシラカシ林であるという。そういうところを探し歩くのが、この冬の楽しみになりそうだ。鎮守の森の代表的存在である明治神宮の森の興味深い成り立ちと楽しみ方が「魂の森を行け」8章に書かれていた。私は毎日地下鉄でくぐるだけだったが、時間を見つけて行ってみたい。何より、その勢いあふれるという講演を、耳にしてみたい。