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2011.01.10

「石油に頼らない-森から始める日本再生」

編著:養老孟司+日本に健全な森をつくり直す委員会。
あと数年のうちに必要な手入れを始め、更新がスムーズに進行する状態にしなければ、日本の森林は木材供給資源としても環境資源としても使えなくなる。それは日本における木を利用する文化の衰退も意味する。これを防ぐために、「石油に頼らず、森林(もり)に生かされる日本になるために」という提言を行っている。

Ⅱ 日本林業にかつてない"チャンス"が来ていることを認識し、それを生かそう。
「10年間で、年間5000万立方メートルの木材を生産できる体制をつくり上げ、林業を2兆円の我国基幹産業に立て直そう」。
森林の保全には、林業の活性化と農山村の復興が必要である。 (p.172)

「森林のどこを見て何を基準に現状を判断し、今後どのようにしていくかが分からない、決まっていない」。
本書によれば、これは我々のような素人だけでなく、「森林を所有する人」「林業に携わる人」の多くについてもそうである、とのことである。この基準と具体的処置を示した藤森隆郎・竹内典之の両氏による「日本に健全な森を作り直すために」の章が個人的に興味深かった。

  • 目標林型の設定 → 林分の目標林型 と 配置の目標林型
  • 「林分の目標林型」を求める要素 → 林種・発達段階、および機能目的
  • 林種:人手の加わり方の度合 → 人工林・天然生林・天然林
  • 発達段階:時間の経過によって変わる森林の構造。 → 林分成立段階・若齢段階・成熟段階・老齢段階
  • 機能目的 → 生産林・環境林、およびその中間的な性質のもの(生活林)

養老孟司・天野礼子の両氏は「日本に健全な森をつくり直す委員会」の他にも以下の委員会に参加し、「二地域居住」「住宅耐震化」などの視点から木材関連産業振興の可能性を探っている。

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