5月7日ETV特集感想
5月7日のNHK教育・ETV特集「ヨーヨー・マとシルクロードアンサンブル」の感想を書く。NHKスペシャル「新シルクロード」オリジナル・サウンドトラックCD「エンチャントメント」は、5月9日に注文して14日に届いたところなので、感想はまだ書かない。2001年にリリースされたCD「シルクロード・ジャーニー~出逢い~」は前から持っている。本記事内でいう「CD」とは「シルクロード・ジャーニー~出逢い~」のことなので御了承下さい。
シルクロードプロジェクトのHP http://www.silkroadproject.org/
番組中ヨーヨー・マ氏は、シルクロードアンサンブルの理念として、以下の3点を挙げた。参加する音楽家が「1.異なる文化に心を開き、東西の音楽を融合させる」「2.旅を通じて、互いの体験を分かち合う」「3.自らの伝統文化の素晴らしさを他の人に伝える、文化大使としての役割を担う」。今日では、単なる東西の楽器のコラボレーションは珍しいことではない。2番目の「旅を通じて、互いの体験を分かち合う」実践の深さに、私は惹き込まれたのであろう。
ここでの「旅」とは、"昔シルクロードの旅人の交流を通じて音楽が旅をしたのと同じように、世界各国の音楽家が1ヶ所に集まって交流する"だけでなく、"伝統文化がある場所に他の文化を持つ音楽家が出掛けてそれに触れ、その体験を音楽創作の場に持ち込む"ことも含む。
番組では、2人のアメリカ人演奏家がカマーンチェ奏者ケイハン・カルホール氏の招きでイランを訪れるシーンがあった。カルホール氏はじゅうたんを示し、つる草模様(旺盛な生命力への憧れを示すという)の繰返しと、ペルシャ音楽の繰返しが続く展開とが関連を持つことを教える。その後に楽器博物館で1オクターブに17のフレットを持つセタールという楽器などの紹介、ペルシャ音楽のピッチを習得してもらう作業…と続く。ヨーヨー・マ氏が「文化大使」として手本にしたい人とするカルホール氏であるが、彼もこのプロジェクトに参加することで、他の人と共に音楽への理解を深める喜びがあると語っていた。
ヨーヨー・マ氏と音楽家達とのいくつもの対話を通じて、自分も同じ体験を分かち合ってるような気がして楽しかった。何よりCDで聴こえる楽器がどんな姿をしているかをTVで見られただけで、自分には大きな経験になった。
中国笙奏者Wu Tong氏が「中国の伝統音楽は、リズムに強い表現力があるのが特徴」と言う。CD3曲目にある中国の伝承曲「蘭の花」では、各国のパーカッションによるダイナミックなリズムによって、その特徴をさらに伸ばしている印象がある。CD9曲目の「ハビル・アジャヒ」という曲のプリペアード・ピアノが、アゼルバイジャンや中東の伝統楽器の音を想起させるとライナーノートに書いてあったが、その意味も少し理解できるようになった。口伝によってインドの伝統音楽を身に付けたことで、聴いた音楽を立ちどころに覚えてしまうタブラ奏者の話も興味深かった。
今後は、そうですね。「エンチャントメント」聴きます。
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