週ベ選手名鑑を読み直す
知らぬ間に西武のレギュラーの顔ぶれがすっかり変わってたので「週刊ベースボール・2004プロ野球全選手写真名鑑」を引っ張り出して日本シリーズを見てる。8ヶ月前の記事が、もうずいぶん昔のことのようだ。球団合併、ストによる試合中止、イチローの262安打、いずれも思いもよらぬ時期。その前月末に近鉄球団は命名権の売却を試みるなど、今思えば必死で経営の存続を模索していたが、結果的にこれは近鉄の選手が揃って載っている最後の名鑑号になる。
プロ野球70周年にちなんだ特集で、26人の野球評論家による「球界改革のためにすべきこと」という意見を集めた記事があるが、今読んでみると面白い。戦力が特定の球団に偏るのを是正するため、ドラフト改革などの方策を提案する人が多い中(←まあ今年はたまたま戦力不均衡が戦果に反映しないだけで、大きな問題には変わりない)、大塚光二氏の「何もかも球団主導。ファンとの話し合いの場を頻繁に持つべき」、大野豊氏の「各球団が地元ファンを大切にした経営を。地域を基盤にして根付いた人気を全国に広めていく努力を」という意見は、現在の状況を見通しているようで素晴らしいと思う。水野雄仁氏の「ジャパンマネーでメジャー両リーグのワイルドカードを買い取る。そうすればメジャーの試合を日本で見ることができる」って意見には笑った。ボストンの人が怒るよ。
岡江昇三郎氏の「コミッショナーって何だろう?」という記事は、こう始まっている。"「野球協約は日本国憲法を読むより難しい」と言ったのは根来泰周新コミッショナーだが、現役弁護士が困難を感じるほどなのだから、我々には確かに難解な「プロ野球憲法」ではある。"
結局、根来という人は野球協約を読むだけで役目を終えそうだ。協約を超えられる存在がその可能性を放棄して思考停止してしまわれた。
これと関連するわけではないが、「選手会通信」という記事には、こう書かれている。"こういった野球協約のような「ルール」を取り出して、各球団の行為を問題視したり、阻止する行動が、常に矛盾ない形で行われているのか、という問題を取り上げたいのです。…特定の力のあるオーナーが問題にするかによって違いが出てくるといった体質、これこそが今の野球界の最大の問題ではないかと思われます。"根来氏はこの文章を読まれただろうか。
あと個人的には、Cultural Review about BASEBALLというコーナーで、矢野顕子「行け柳田」8インチシングルのジャケットを初めて見れてうれしい。
"ライブ盤ではなんとYMOをバックにこの曲を歌っている。オススメ"という解説が、「在広東少年」が極めて好きな私には「ああ野球雑誌らしい文だな」と思えた。
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