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2004.08.16

昔の日本の音階

藍川由美著「これでいいのか にっぽんのうた」の68ページにあった、「イギリス人エリスが測定した、日本の音階の振動数の近似値:ド258.6、ド#274.7、レ292.7、レ#305.6、…ラ437.0…」というのが、いったい何なのかずっと引っかかっていたが、小泉文夫著「日本の音-世界の中の日本音楽」と中川真著「音のかなたへ」を読んで、わかった。

「日本の音」288ページより、日本の雅楽の音律についての説明が始まっている。中国では2000年以上前から1オクターブを12に分けて音名を付けていた。中国では時代によっていくつかの基準音があったが、日本はそのうち唐の時代の俗楽における基準音(西洋のD音に近い)を壱越(いちこつ)と呼んで基準とした。壱越から上無(かみむ)まで十二の音名があるが(十二律)、そのうち西洋のA音に近い黄鐘(おうしき)という音を明治時代になってイギリス人エリスが測定したら437Hzだった、とのことである。
ここで思い出したのが、3年前にNHK人間講座のテキストとして買った「音のかなたへ」である。この本は京都にある各寺の鐘の音を記録して、その周波数と寺の位置(中心部から見た方位)との関係について仮説を述べている。ここで資料としていたのが、「雅楽の各調子の宮音(主音)の音高:壱越292.7、断金305.6、…黄鐘437.0…」という表だった。伊庭孝「日本音楽概論(1928)を参照としてある。つまり、藍川氏の表は、この値をドレミで表したものだったのだ。
ただし、西洋音階も純正律・平均律があったとはいえ、その高さの基準がA音=440Hzと決まったのは20世紀になってから、と「日本の音」に書かれている。

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コメント

トラックバックをありがとうございます。お久しぶりです。
一オクターブをいくつかの音階に分けるという発明は、西洋、東洋問わず、必然だったようですね。ただ、分けるうえでの基準や、音そのものの周波数といった決め事は、それぞれの文化によって違ったのでしょう。
雅楽の周波数や、五音、七声といった東洋独特の音階についての考察は、今後僕のブログにも掲載していく予定です。
それにしても、こちらのブログは、色使いが涼しげでいいですね。余計なものも載せていらっしゃらないというのもいいです。僕のブログには、アフェリエイトをはじめ、いろいろ掲載しすぎて、ごちゃごちゃしてるものですから・・・(笑)
また遊びに来ます。では。

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kenkenさん、コメントどうもありがとうございました。
返事がとても遅くなって申し訳ありません。
五音階(五声)の記事拝読しました。西洋音楽でいえば、壱越や双調というのが音名で、宮や徴というのが階名ということですね。
よくわかります。
ブログのデザインは、ココログのテンプレートでいちばんあっさりしたのを、タイトルなどの色を変えて使ってます。中日カラーですね(笑)。

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