「コード進行」にハマった頃
音風景日記「音の縁日」へのトラックバックです。
小学6年生で修学旅行に行った時のこと。それまで旅館の部屋の外でうろうろしてた女子が、夜9時を境に一人もいなくなった。全員、テレビのある部屋に集結して「ザ・ベストテン」を見たとか。松山千春が初めてランクインしたが出演しなかったそうな。なんやそれと思ったが、やがて自分も邦楽にはまるようになる。1978年から数年間、"ニューミュージック"というジャンルが出てきた頃である。
もっぱら「ベストテン」や、FM・AMラジオからのエアチェックで聴いた。レコードは買わないし、当時の歌番組では歌詞のテロップは出てないので、歌詞を間違えて覚えたらずっと間違えっぱなしである。サザンなど、好きは好きだが歌詞はハナから覚える気がなかったものも多い。また、今では信じ難いけど、この音がどんな楽器で演奏されてるのか、ということにも、ほとんど興味がなかった。
「コード進行」で聴いていたんだ、と思う。小学校3年から5年までヤマハ音楽教室のジュニア科という課程に通い、曲や伴奏を自分で作って弾くとか、コード進行の仕組みを覚えて曲に当てはめる実習を喜んでやってて、とても興味があったのだ。初めて聴くようなコード進行とか、意表を突くような転調があると「すげぇ」と思った。「ガンダーラ」から「銀河鉄道999」までのゴダイゴは、そういう意味でめちゃくちゃすごかった。YMOもすごかったけど、FM聴いてるだけでは、入手できた曲は非常に限られた。
ま、こんな聴き方はあくまで特殊で、同世代の友達と盛り上がることもないし、'80年以降にアイドルがいっぱい出てくると、コードがどうって話でもなくて、また様子が違ってくるのですが。……当時の自分は音楽を通じて人と向き合うのではなく、「音」自体と向き合って満足してしまった。その姿勢を根本的に見なおそうとしたのは、本当に最近のことです。
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