池上彰著「これが『週刊こどもニュース』だ」集英社文庫
読みました。
うちの両親は、「どうして空は青い」にはじまって、幼児期の私のあらゆる質問に対して、かなりていねいな説明をしてくれたのだが、私が親に経済の質問をした記憶はない。7歳でオイルショックだったけど、現在に比べればまだまだ気楽だったのは否定できない。「第2章 銀行はなぜおかしくなったのか」みたいな今の状況を子供に説明するのは、確かに大変なことだろう。「信用創造機能」を出演者の子供に説明したら、「ズルイ。だまされてるみたい」という反応だった、というのがあったけど、自分が高校の現代社会でこれを勉強して、やはり同じ感想だったことを思い出した。
番組同様、いろんな記事の製作エピソードが集められ、とてもためになる。読んでいただければわかる。キャラクターの「スクープ君」は中東・イスラム関連のニュースには登場しない、というのは気づかなかったなあ。
最後の解説で、天野祐吉氏が「書き言葉で書かれてきたニュースを、話し言葉にとことん近づけたのが新しさだ」と言ってるところも興味深い。「明治期に"黙読"が成立したことで、ニュースの言葉から"音"が消え、耳で聞いても意味がよくわからない珍妙な書き言葉がニュースの中でハバをきかすように」なったと、天野氏は指摘している。
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